▲ 各停運用に就く1185F。田端新町にて
2005年、帝北の悲願であった田端新町~武蔵戸塚間の複々線化が完成、ラッシュ時を中心に大幅な増発が可能となった。この増発に対応するため、あるいは旧型車の置き換えのため製造されたのが1000系・1040系・1060系・1080系からなる1000系列ファミリーである。3桁目の数がそのまま両数を示している(1000系は10両)が、それ以外にも各系列ごとに大きな特徴がある。
最初に製造されたのは8両編成の1080系で、2004年から製造開始した。帝北の通勤型車両では珍しく非貫通型の前面形状となり、車体は帝北で初であるビードレスのステンレス車体、制御装置はこれまた初採用のIGBT素子のVVVFインバータ制御である。1000系列の中では最も普遍的なグループであり、2008年までの4年間で12編成96両が製造されている。後半の製造分はまだ一部残っていた5000系初期型8両編成の置き換えのために製造され、この導入に伴って5000系の初期型に廃車や組み換えが生じている。登場から16年経った2020年より更新工事が施工され始めている。
▲ 三社直通運用に就く1000系1108F。 岩槻本町にて。
2005年からは1000系、10両編成のグループが製造され始めた。10両編成の運用増加、ならびに2006年の湾岸線数寄屋橋~お台場間部分開業の際の運用増加に対応するもので、地下鉄への直通に対応するため前面には非常扉が追加された。2005年から2014年までの9年間で16編成160両が製造され5000系の初期型完全置換、中期型の一部置き換えを達成している。1000系列の中で最も長期にわたり製造されたため、1000系の中でも形態差がある。2013年からは湾岸線を介して東急線への直通を開始し、その運用範囲を広げている。
▲ 臨時の区間急行の運用に就く1060系1563Fとすれ違う1000系1105F。 埼玉スタジアムにて。
2006年から製造されたのは1040系と1060系。これらのグループは従来快速急行の運用に就いていた6000系、そして5000系初期型の4両編成・6両編成を置き換えすべく製造された。快速急行の運用に対応するため2wayシートを備えており、車内にはトイレを備える。前面や機器構成は1080系のものとほぼ変わらないが、編成間の通り抜けを可能にすべく貫通扉を備えているのが大きな違いといえる。運用面では快速急行以外の運用にも普通に投入されるが、トイレがついている関係上朝ラッシュ時の運用は意識的に避けられており、車種が関係ない運用でも朝ラッシュ時の運用であれば投入されることはない。2011年まで製造され、これで6000系は全車両が引退している。